2008年08月19日

ミュージック・ブレス・ユー!!  津村記久子

津村記久子さんの『ミュージック・ブレス・ユー!!』です。津村さんはこの前の芥川賞候補でありますが、その候補作『婚礼、葬礼、その他』もちょうど今手元にあるので、特集分はそちらで。
津村さんに対しては先に読んだ『カソウスキの行方』の感じや、『婚礼、葬礼、その他』の粗筋から、30歳前後ぐらいの同年代(著者自身とでありまた私自身と)の人々の姿を、優れた観察眼と独特のユーモアで描くというイメージを持っていました。しかもどちらかというと自虐的な視点で。
なので、この本をまず見た時に表紙の雰囲気にギャップを感じたし、読んでみたら高校3年生の女の子を描いた作品なんで、こういう話も書くのかと驚きました。


そういう訳で主人公は高校3年生のアザミ。テンプルの太い眼鏡に真っ赤に染めた髪。矯正中の歯には黄色と黒のタイガースカラーのゴムがはまっており、何ともインパクトの強い風貌の持ち主。
彼女はBLINK 182やGood Charlotteといったアメリカのメロコア、ポップパンク系のバンドをこよなく愛しており、少しの時間さえあればヘッドホンを耳に当て、その音へと浸っていました。まさに浴びるように音楽を聞くような毎日。
そんな彼女自身ベースを弾き、友人達とコピーバンドも組んでいましたが、ある時些細ないざこざからバンドは解散してしまいます。その根底には予備校だとか彼氏の問題といった事情があったのですが、それはまたアザミのこれからの1年を予兆させる出来事でもありました。


もうですね、登場するバンドの好みがかなり自分と近い所を突いてきて、それだけで楽しくなっちゃいました。上の2つもそうだし、NEW FOUND GLORYやALLISTERと家に並んでるのと同じCDが飛び出してくる度に可笑しくてしょうがなかったです。
それにね、周りのクラスメイトが次々と進路を決めていくのを目の当たりにして、そんな急に自分の将来を決められないよと戸惑うアザミの姿は、昔の自分と重なるようでした。
ただ家から出たい、この町から出たい。そして受験の費用はなるたけ低く押さえたい。そんな観点から選んだセンター受験OKな私大志望校の羅列に、一体お前は何をやりたいんだと問われた自分。
ヴォーカルの自殺を高校の廊下で知り茫然とし、CDショップに行っては全てのアルバムを持っているのにそのバンドの所で目を止めてしまったあの頃。

私がこの作品に出てくるバンドをよく聞いていたのは20代の前半の頃で、ネットで知り合ったアメリカのバンド好きな女の子とメールのやり取りをするアザミとは、その1年を過ごした時代が決定的に違うし、そもそも私は男でアザミは女なんだけど、そんなの関係なしにこの作品は懐かしさを感じさせます。
ロックさえあればそれでよかった。女性の作家が音楽と青春をテーマにした小説を、そういった切り口から書いてきたのは少し新鮮だったし、それ以上に性別や年代といった垣根をひょいと飛び越えてしまう津村さんという人に本当に驚いた一冊でありました。

それにしても、津村さんは随分と変わったリズムで文章を書いてきます。この作品では女子高生のつぶやきと合っていたけど、候補作の『婚礼、葬礼、その他』ではどうなのか。そういえば文春の今月号ももう出ているはずだし、選評を見てこなきゃ。


ミュージック・ブレス・ユー!!


みなさん今晩は。蝉に小便を引っ掛けられたたまねぎです。オー!シット!!。でもいいのさ。今日は普段ならちょっと行かないような場所に所用で出かけて、帰りに寄り道(内緒ですあせあせ(飛び散る汗))した古本屋でいいもの見つけたからいいんだもん。
しかし、今年の夏ももう終わりですね。今年も暑かった。皆さんは、どんな夏を送られましたか?私は入居4年?5年?、どっちだか忘れてしまったのですが、今更にして玄関扉を開きっぱなしにしておけば、家の中を涼しい風が通り抜けることを学びました。しかしさすがに外から丸見えは恥かしいので簾を下げてますが。
ひとつだけ問題なのは寝てる間は開けっ放しには出来ないというわけで、夜中にはウンウンと苦しんでおります。タイマーがねカチッと切れる音で目を覚ましては、またスイッチを入れなおしたりバッド(下向き矢印)
そうそう、夏の発見といえばもう一つ。今年は蒟蒻ゼリーを凍らせて食べるとひゃっこくて美味しいという、私的には世紀の大発見をいたしました。去年はついアイスに手を伸ばしてしまいがちだったのですが、これならカロリー的にも無問題です手(チョキ)。おそらく、ものすごーく今更な発見なんだろうけど。


posted by たまねぎ at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ┗津村 記久子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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