2つの話が収められていて、最初の『人魚の唄』はとある海辺の町を舞台に、セツコとアサコ姉というヘルパーの女性と、彼女達が世話するナオコ婆の話。
ナオコ婆は体が衰えていくにつれ、自分は人魚でもうすぐ海に帰るのよと語りだし、それを聞いたセツコはいたたまれなくなり、ナオコ婆との思い出に記憶を巡らせ、その辛い半生に憤りを覚えながら、それをなんとか押さえ込みナオコ婆に接していくのでした。
町についての細かい説明はされていないんだけど『にぎやかな湾に背負われた船』と同じ様な場所で、登場人物やストーリーを変えていても、描こうとしているものは同じだと感じました。
そしてもう1つは表題作で候補作にもなった『マイクロバス』。これはちょっと内容が説明しづらい話なんですが、信男という知的障がいを持つと思われる男が、国道388号線上でマイクロバスを走らせるという話です。
起こっていることだけを書くなら単純なんですが、彼がバスを走らせる中で、彼が見ている世界もしくは見せられている世界、そして土地というものに染み付いた記憶が、海辺に押し寄せる波のように次から次へと積み重ねられ、それらが混然としていくうちに、現実と幻の境界も溶け消えてしまうのです。
現実と幻が混然一体となっていく物語は奇想コレクションなんかでもよくあるんで、読み慣れてる程じゃないけと、抵抗は無いんです。ただこの主人公の信男が口をきくことができず感情を表に出すことも出来ないため、彼の見たものを彼の意志と感情を通して見るのではなく、その背後に置かれたカメラから俯瞰するような形になるのです。
思考をいっさい除して、その人物の視線だけを追っていくというのは、これは思った以上にしんどくて、おまけに描かれているのはそこで起きている出来事であると同時に、そこで信男が見ているものでもあるから、それが何かを理解することがとても難しかったです。
信男がコミュニケーション不全に陥り、他者と地域と隔絶してしまったため、彼が彼のみの中で通じる、独自の認識の仕方を育んでいることも、この難解さに拍車をかけているのでしょう。
物凄く時間がかかって疲れた本だったけど、それに見合うだけの本だとは思います。
それと、この作品には『人魚の唄』に出てきたアサコ姉が登場し、また徐々に疲弊し閉塞していく地方都市の姿も描いており、一連の作品の繋がりを見る事もできました。

みなさんこんばんは。今年はいきなり夏が終わったなあと思っていたら、ここにきてまた暑い日が続きますね。まさしく残暑ざんし……ほあちゃーっ!。
失礼しました。取り返しのつかない過ちを犯す前にセルフ突っ込みが入ったようです。経絡秘孔を突かれちゃいました。
まあしかし、暑いとは言いましても、六時を過ぎる頃には辺りも随分と暗くなり、日が短くなりました。あちこちのたんぼでは稲刈りも進んでるし、秋はもうすぐそこですね。
この時期、田舎でありがちな怖い事といえば、コンバインの落とした泥と犬の糞の区別がつかない事です。特に夕方。ちょっと水気を含んだ黒い泥なんかは、実際どっちなんだか分からないです。泥を避けたつもりが糞を踏んだなんてならない様に気をつけなくては。
えっ?糞なんかよりお前の今回の本の説明が分かりにくいって?どーも、すいません。実は自分でも書きながら何言ってんだろうと???だったんですよ。
そう、それくらい分かってるんですよ。私は自分を客観的に見る事が出来るんです!あなたとは……ひでぶっ。
度々失礼致しました。どうも先程から調子が。何だろ、おかしいな。とりあえずさっきの逆切れは使ってみたかっただけですので気にしないでください。
では最後は分からない繋がりで、八月の末に出したクイズの答えであります。みなさん分かりましたか?全然?フッ、まだまだ……あべしっ。
《クイズしおりでドン!解答》
1.新潮社
2.角川書店
3.講談社
4.文藝春秋
5.光文社
6.集英社
7.NHK出版
8.講談社
9.双葉社
10.ちくま書房
第七問目で浮輪をつけて泳いでいるのはNHKテキストのキャラクター、ニョコ。NHKのテキストってかれこれ十何年近く買った記憶が無いのですが、何故が持っていました。古本かな?
そして第八問目の人魚?みたいな絵はなんとあの天野喜孝さんの作。雰囲気がまったく違いますよね。私も見てびっくりしました。使い分けているのか、クレジットはひらなで「あまのよしたか」と入っていました。
では締めはお約束で。お前はもう……ピープー。
(※このクイズはlivedoor版の方に掲載されております)
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