北海道東部を襲った超大型爆弾低気圧が、彼等を奇しくも一箇所へと集めていく。まるで防雪柵の切れ目から流れ込んだ風が、路上に雪の吹き溜まりを作るかのように。
二冊目は『暴雪圏』。腐敗防止を旨とした人事により、不慣れな駐在所勤務へと異動となった川久保巡査部長を主人公とした『制服捜査』の続編です。
先に読んだ『警官の紋章』と同様、道警の不祥事を出発点としたシリーズなのですが、両者の差異、視線の違いがより色濃く出てきたと思います。
警察内部を見つめたDCAと異なり、こちらは川久保という男の目を通して見た、地域の物語となっている。前作からその傾向は見られたのですが、今回はそれがより顕著に現れているのです。
自然の猛威を前に川久保は手も足も出せず、殺人犯と市民が一夜を越すペンションで何が起きているのかを知る事ができるのは、当事者達と、そして読者のみ。そういった点から見れば、警察小説というよりも、群像小説と言った方がよいのかもしれません。
そして、地方都市の窮状や閉塞感などは前作ほど触れられていなく、北海道ならではの気象状況が物語を成立させているあたり、これは土地が書かせた物語であるのかもと感じました。
そうそう、ラストで川久保が見せた眼差しに、ふと『ミスティック・リバー』を思い出したり。そう言えばイーストウッドの新作が封切りされましたね。今度こそ見に行かなくては。
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