2009年04月21日

ことば汁  小池昌代

小池さんは『タダト』に続いて二冊目。もともとは詩を書いていらっしゃったというのは、その時の著者紹介で知っていましたが、この本はより、詩人 小池昌代が感じられた一冊でした。
思わず口ずさんでみたくなるような擬音。登場人物達が思わずもらす言葉。句点の一つ一つが感じさせる彼女達の息遣い。選んで、磨かれ、並べられたそれらが、すっと流れてきたと思ったら、いきなりこちらの頭を掻き回します。

『女房』『つの』『すずめ』『花火』『野うさぎ』『リボン』と六つの話を収録。『女房』以外の五編は、盛りを過ぎた女性を主人公とした話で、幻想的でありながら、孤独や嫉妬といった感情が蠢いおり、魔法使いの老婆がかき混ぜる怪しげな壺を彷彿とさせました。『ことば汁』というタイトルは「鍋の中の言葉のごった煮という」イメージから名付けられたそうです。(asahi.comより)
私はこの本を読みながら、「ことば」というのは溢れ出てくるものなのだと感じました。人の内側にはなんとも大量の「ことば」が、それこそ無限の如くに渦巻いていて、口にされるのはその中から掬い上げられた、ほんの一部の上澄みにすぎないんだなあと。
絶句、二の句が継げないという言葉があるように、何も言えなくなる事は確かにあるけれど、それは大半が声に出せないだけで、内側では様々な感情が「ことば」となり入り乱れていて、みんなが我先にと出口に押し寄せるものだから、一時的に詰まってしまうって事なんですよね。


posted by たまねぎ at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | か行の作家さん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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