ツムラさん3連星。最後は芥川賞受賞作『ポトスライムの舟』です。上司の惨いパワハラを受け退職したナガセ。精神的に不安定な状態から回復した現在は、化粧品工場で検査業務の仕事をしていました。そして、何かをしていないと、働いていないと心が落ち着かず、その他にも友人のヨシカが経営しているカフェのバイト、データ入力の内職を掛け持ちし、週末にはお年寄り相手のパソコン教室の講師まで。
ある日、彼女は工場の休憩室で見たポスターに書かれた世界一周旅行の金額、一六三万円が自分のこの工場での一年間の手取りとほぼ同額だと気がつき、一年間工場以外の収入で生活してみようと思い立つのでした。
ナガセの物語というよりは、彼女を含めた女性達の物語と感じながら読みました。しかし、津村さんらしいとは思いながらも、なんだか少し物足りない。読後からかなり時間が経ってしまったんだけど、この作品よりも併録されていた『十二月の窓辺』の方が印象に残ってます。直接的な明記はされていないけど、これがナガセの過去の物語だとしたら、あまりにもやるせない。
2009年04月17日
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